【発達障害】基礎感覚って何?つまずきの原因をわかりやすく解説!~固有感覚編~

こんにちは。「おうちモンテで療育.com」のりっきー(@KodomoOtona58)です。

皆さんは「感覚過敏」「感覚鈍麻」という言葉を耳にしたことはありますか?

ある特定の感覚に関して、極端に過敏さや鈍感さがある状態のことで、発達っ子は感覚に関するこのような特性を持ちやすいと言われています。

しかし、感覚というのは「誰しも自分自身が感じている感覚を普通だと思い生活しているので、他の人がどう感じているかはわからない」ものです。

そのため、お子さんがもし感覚に課題を抱えていても、気づくのが難しかったり、フォローする方法が想像できなかったりするケースがあります。

今回の記事では感覚に関するつまずきの例とアプローチ法について、「基礎感覚」の解説や対処方法、おすすめ書籍を紹介していきたいと思います。
今回のテーマは「固有感覚」です!

これまで基礎感覚に関して下記の2記事を公開していますので、合わせてご覧ください。
基礎感覚の要とも言える「触覚」についての記事はこちら↓

【発達障害】基礎感覚って何?つまずきの原因をわかりやすく解説!~触覚編~

2019年10月25日

姿勢を保つキーポイントになる「平衡感覚」についての記事はこちら↓

【発達障害】基礎感覚って何?つまずきの原因をわかりやすく解説!~平衡感覚編~

2020年7月9日

プロフィールページでも基礎感覚についてと、りっきーが基礎感覚を学ぶきっかけになった宇佐川研(発達障害臨床研究会) について書いています。
よかったらご一読ください。

Contents

「固有感覚」聞いたことありますか?

皆さんは、「固有感覚」という言葉を聞いたことはありますか?

「固有感覚」は簡単に言うと、『身体を動かす際のアクセルやブレーキの役割を果たす』感覚です。筋肉や腱、関節の中がセンサーになっています。

基礎感覚の残りの2つ「触覚」と「平衡感覚」は耳なじみがありますが、「固有感覚」は日常であまり使うことがなく、また、感覚としても実感しにくいため、初めて聞かれる方も多いかもしれませんね!

働きとしては、関節の角度や筋肉の収縮の程度、力の入れ具合、どこでどのような運動が起こっているか、の情報を受け取っています。

人体の深いところで働いているため、「深部覚」という言い方もします。

感覚の中では、一番感じにくい感覚ですが、固有感覚によって、自分の身体の関節がどの程度曲がっているか、伸びているか、どれぐらい張りが生じているのかを知覚して、力の加減をすることができます。

りっきー
大切な役割を担っているのね!

固有感覚を体感してみよう!

聞くだけではなくまずはやってみて、固有感覚を体感してみましょう!身近な人に少しだけ協力してもらってくださいね。

①目を閉じて、手のひらを上にして立ちます。
②まずは協力者に本を1冊手にのせてもらいます。
③次に本を5冊に増やしてもらいましょう。

さぁ、違いはわかりましたか?なぜわかったのでしょうか?

「重さの違いを感じたから?」「腕に力が入ったから?」
言葉で説明するのは難しいかもしれませんが、これが固有感覚の働きです。
知らず知らずのうちに、筋肉の収縮・力の入れ具合を調整してくれているのですね!

固有感覚がうまく働かないとどうなる?

発達凸凹のある子どもたちの中には、この固有感覚の調整がうまくいかない子がいます。

とてもわかりにくい感覚なので、周りが理解していないと「乱暴」「不器用」「物を大切にしない」と誤解されやすいです。感覚の問題なので、本人の心がけで気を付けることは難しいのですが、ついつい「もっと丁寧に扱って」「そっと置いてね」などと言った声かけをしてしまいがちです。

しかし、感覚情報をうまく脳内で交通整理できていない状態なので、そもそも「丁寧に」「そっと」がどうすればいいのか理解することが難しかったりするのです。しかも固有感覚は平衡感覚とも関わりがあるため、原因が一つでないことも多々あるのがより問題を複雑化させてしまいます・・・

つまずきの具体例

もう少し、具体的に見てみましょう!

力加減がうまくいかない子どもたち、学校や家などの日常生活で、どんなことが起こるでしょうか?皆さんも考えてみてください。

りっきー
我が家の長男も力加減が難しいみたい・・・

・お友達に声をかけるとき「トントン」したつもりが、「痛い!」と言われてしまう
・コップをテーブルに勢いよく置いてしまい、こぼす
・鉛筆の芯がすぐ折れる
・消しゴムで消したらノートがビリっ
・高いところからしょっちゅ飛び降りる

このような様子が頻繁に見られる場合は、力の入れ具合の調整に苦手感を抱えている可能性があるかもしれません。

固有感覚へのアプローチ

固有感覚はボディイメージ(自分の身体に対する実感)とも深いつながりがあります。そのため、身体の使い方を意識できる遊びを取り入れていくことがおすすめです!

<運動が苦手、ぎこちなさがある場合>
・またぐ、くぐる、よじ登るなどの運動ができる遊具
⇒ジャングルジム・トンネル・はしごなど

・重力に逆らった姿勢を取る遊びをする
⇒しがみつき抱っこでブラブラする、鉄棒に「ぶたの丸焼き」の姿勢でぶら下がる

<手先が不器用な場合>
・調整力が求められる遊びをする
本人にとってやさしすぎず、難しすぎないスモールステップの課題設定が大切です。
⇒紐通し、トングを使っておままごと、積み木を積む

・書く活動
⇒写し絵、なぞり絵、ステンシル(トントンする動き)

・おうちの家事の手伝い
⇒お茶を注ぐ(小さなピッチャーや急須で始める)、食後の食べこぼしのゴミ拾い(指先の調整)

おすすめ書籍

ここまで3回に分けて、基礎感覚の大切さをお伝えしてきました。
専門的なお話になりますが、子どもの発達にとってとても大切なこととなります。

もっと詳しく知りたい、具体的なアプローチをたくさん見てみたいという方向けにおすすめ書籍を紹介しておきます。

 つまずきの仕組みが詳しく知りたい方はこちら↓

具体的なあそびをたくさん知りたいときはこちら↓

すぐに取り出せるカードタイプもあります↓

是非、基礎感覚について知って、子どもたちの発達につなげていきましょう!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
また、お会いしましょう!!

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ABOUTこの記事をかいた人

プラスモンテ®主宰。 モンテッソーリ教師&保育士。発達っ子の子育て中。 発達障害や、障害児教育から始まったモンテッソーリ教育のおうちでの実践を発信。すべての子どもたちに大切な「発達」の視点を伝えたい! 趣味は読書と旅行、フィギュアスケート観戦。学生時代、地球一周経験あり。47都道府県制覇しました!