こんにちは。
『おうちモンテで療育.com』の管理人りっきーです。
「おうちモンテ」を始めると、魅力的に見えてくる美しいモンテッソーリ教具たち。
我が家にも是非!と思うけど、一体何を選べばいいの?使い方はわかるかな?と悩んでいませんか。
モンテッソーリ教具には分野や系統性があり、本格的に勉強するとなると大変・・・
そこで、りっきーが我が家で発達っ子と数年おうちモンテに取り組んだ経験から、まず買うならコレ!と太鼓判を押すモンテッソーリ教具のおすすめを伝えていきたいと思います。
Contents
「感覚教育」って何?
モンテッソーリ教育といえば、有名なのがピンクタワーや円柱さしなど。
検索して出てくる画像もこれらのものが多いかと思います。
でもこれらの教具の正しい使い方や奥の深いモンテッソーリ教育の学びについてはなかなか語られることは少ないです。
私も教師養成講座を受講して初めてその奥深さを知り、本当に驚きと感動がありました!
全部はお伝えしきれませんが、この記事では特におすすめの教具にしぼって、その本質をできる限りわかりやすくまとめてお伝えしていきますね。
子どもは「感覚」を通して動きながら学ぶ
モンテッソーリは子どもの学び方について、「感覚を通して動きながら学ぶ」と述べています。
下記の図は「運動のメカニズム」を示したものです。
外部からの様々な刺激は、視覚・触覚・嗅覚などの感覚器官を通して脳に伝わり、その後脳からの命令で運動器官を通して、運動が起こります。
この経路での学びは、必ず五感からの直接体験を伴っているので、記憶に残りやすいと言われています。
モンテッソーリ教育での教具や用具を使ったおしごとは、たとえ内容が算数や言語の分野になっても入り口にまず運動を伴う活動があるのが特徴です。
発達っ子への五感アプローチのメリット
発達に課題を抱えた子どもたちの多くは「感覚」にも課題を抱えていることが多いです。
「感覚過敏」「感覚鈍麻」と言われるこの特性は、子どもたちが日常生活を送る上で大きなハードルとなってしまいます。
特性は100人いれば100通りありますが、我が子の場合、今落ち着いてきている症状も含めると・・・
- のりや泥などべちょっとした感覚のものが触れない
- 光がまぶしく真夏に外にいるのがつらい
- チャイムなど急になる音に極端に弱い
という症状がありました。
想像してみてください。
これらが日常的に続くと、毎日を過ごすのが精いっぱいになってしまいますよね・・・
りっきーの経験上の予測になりますが、上の運動のメカニズムの図で言うと、「外的刺激が感覚器官から脳へ伝わる」部分で情報伝達がうまくいかず問題が起きている状態だと思われます。
ただし、どんな感覚刺激も同じように耐えられないのかというと、そうではないのもまた特徴です。
予測ができない状態で五感からの刺激があることは無理でも、自分から触ったり、音を鳴らしたり、においを嗅いだりと、意識的に行動をすれば問題がないことも多々あるのです。体調によって症状の強さが変わることもよくあります。
そのため、自分から意識的に教具や教材に取り組めるように少し工夫をすることで、五感からの直接体験が増えて、上に書いたような「感覚」の問題が緩和されていくこともあるんです!
モンテッソーリ教育だけの効果ではないですが、我が子はのりや泥には平気で触ることができるようになりましたし、光をまぶしがることもかなり減りましたよ!
算数教育へのつながり
感覚教具の特徴の一つとして、「10個で一組」になっているものが多いことがあげられます。
また、子どもたちは教具に取り組む中で「対にする」「順番に並べる」「分類する」という3つの操作を身につけていきます。
これらにはのちの「算数」の活動につながっていく要素が含まれています。
「10個で一組」は10進法へ、3つの操作は法則的なものの見方の獲得に結び付きます。しかもこれを教え込むことなく、子どもたちが教具に触れているうちに自然に身についていくというのがモンテッソーリ教育の素晴らしいところだと思います。
①色つき円柱
赤・青・黄・緑の4色の木製の円柱各10個。視覚・触覚の教具。
青:1次元の変化
赤:2次元の変化
黄:3次元の変化
緑:3次元の変化
を体感できる教具です。
教え込むことなく、視覚を通して、各次元の関係を比較することができます。
<身につく力>
順番に並べることにより大小など大きさの順序性に気づく
色分けすることにより分類できる力がつく
同じものを探すことができるようになる
<りっきーの療育の眼!>
分けたり並べたりすることが好きな発達っ子は多いですが、規則的に作り上げられているこの教具の場合、知らず知らずのうちに大きさの違いや順序性が身につきます。
また、小さな円柱を指でつまむ動作を通して、そっと倒さないように置けるようになるなど、指先の巧緻性にもよい影響があります。
下記の画像3・4枚目にあるパターンカードというものを併用すると、ぴったり合わせたい几帳面な子どもたちも楽しくおしごとできます!
<購入ポイント>
10個一組で合計40個になっているものを購入することをおすすめします。
同じ形でつまみのついた木製の円柱さし(色は自然色)もありますが、両方とも10進法へのつながりというところが大事なので、モンテッソーリ的に言うと、5個になった簡易版タイプよりも10個の商品がよいかと思います。
②幾何学立体
青色に塗られた10個の木製の立体と、5種類の投影板。視覚・触覚の教具。
曲線で囲まれた立体、平面で囲まれた立体、曲線と平面で囲まれた立体の3つに分類されます。
球体、楕円体、卵体、立方体、直方体、三角柱、四角錐、三角錐、円柱、円錐の10種類です。
これらの立体を写真や絵にしたものと、文字で書いたカードを用意すると、同じものを探す活動もできます。
<身につく力>
立体認識感覚が身に付きます。
立体の面と面を合わせたり、立体と投影版を合わせることで図形の法則性に気づきます。
我が子は、この活動を通して、直方体と三角柱と円柱が3つとも真横から見ると「四角」であることに気づきました!
<りっきーの療育の眼!>
就学後、展開図などの勉強をするときにいきなり紙の上の抽象的な世界から入るのではなく、立体の実物に十分に触れる体験をすることが、展開図などを想像する力への橋渡しとなります。
また、視覚情報に強いお子さんの場合、立体の印象が強く残るので、幾何への苦手意識を持ちにくくなるかと思います。
<購入ポイント>
小さいサイズのものも販売されていますが、子どもが十分立体感覚を体感するにはある程度の大きさがあった方が印象に残ります。
通常サイズでの購入をおすすめします!
③雑音筒
木製の円筒6組12本。聴覚の教具。
中には音の強さの違う素材が6種類入っています。
赤と青で同じものを探してペアにしたり、音の強さ順に並べたりします。
音の強弱に気づくことのできる教具です。
<身につく力>
集中力。
小さな違いに気づく力。
予想する力。
<りっきーの療育の眼!>
耳を澄まして音を聞く必要があるため、静かに集中することを通して自身をコントロールすることができるようになります。
また、音を聞くときに手首のスナップを使って筒を振るので、手首の調整力の育ちにもつながります。
「何が入っているかな?」と予想しながら当てっこするのも楽しいですね。
<購入ポイント>
購入ももちろんできますが、簡単にできるので手作りもおすすめです!
中身が見えない蓋つきの容器に赤と青の目印をつけるか、容器に赤と青のビニールテープを巻いて目隠しをして、音の強さの違う素材を6種類入れていきます。
我が家では、石・ビーズ・砂・米・麦・乾燥コーンを入れて作りました。
「体感」が学習の土台になる
今回の記事ではモンテッソーリの感覚教具についてお伝えしてきました。
専門的に知ろうとするとキリがありませんが、なるべくわかりやすくおうちでもトライしやすいように心がけて説明してみました。
いかがだったでしょうか?
感覚教具に関わらず、乳幼児期の子どもたちにとっては五感をたくさん使っていろいろな体験を重ねていくことがとても大切です。
豊かな実体験こそが、感覚を研ぎ澄ます機会となり、やがて学習へ向かう体へとつながっていきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
また、お会いしましょう♪♪
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