こんにちは。「おうちモンテで療育.com」管理人のりっきー(@KodomoOtona58)です。
世の中にはたくさんの教育法があふれています。
その中から、お子さんに合った教育法を選びたい、と感じるのはどんな親御さんでも同じですよね。
りっきー家では、その中から「モンテッソーリ教育」を選びましたが、必ずしも一つにしぼる必要はない!いいとこどり万歳!という方針のため、モンテをベースにしながらも、他の教育法でも子どもに合うもの、良いと思うものがあれば、取り入れていくつもりでいます。
(なぜそういう方針に至ったのかについては、記事の中で詳しくお話しますね!)
では、お子さんに合った教育を選ぶときはどのような視点が求められるのでしょうか?
こちらの記事では、そんな疑問が浮かんだときに読んでもらいたい「モンテッソーリ教育を受けた子どもたちのその後の姿」について、いろいろな角度から語ってみたいと思います!
Contents
モンテッソーリ教育を受けた有名人は世界中にいる
世界の有名人が受けたモンテッソーリ教育
将棋の藤井聡太7段(2019年7月現在)で一躍注目を浴びたモンテッソーリ教育。
日本では欧米と比べて知名度はまだまだですが、世界を見渡してみると、たくさんのモンテッソーリ教育出身者がいます。
しかもかなりの有名どころがズラリと勢ぞろいです!
セルゲイ・ブリン&ラリー・ペイジ(Google創始者)
モンテッソーリ教育の学校に通っていた二人は、アメリカのTV番組で成功の理由の一つに「モンテッソーリ教育」があると答えています。
中でも「自分で選び、自分で考えるカリキュラム」があったことが重要だったということです。
彼らは起業後のGoogle社内においてもそのような企業文化を浸透させており、自主性を重んじる態度が、Googleと言う企業が次々と新しいサービスを生み出すエネルギー源になっていると語っています。
ジェフ・ベゾス(Amazon創始者)
あまりの集中力に、ベゾス氏を移動させるには机と椅子ごと移動させなければならない、という逸話もあるそうです。
何もないところから全く新しいサービスや仕組みを生み出す独創性は、この集中力が鍵になっているのかもしれません。
マーク・ザッカーバーグ氏(Facebook創始者)
Facebookの立ち上げ当初から「自由で公然とした情報の利用を可能にすべきだと考えていた」と話す彼もまた、既存の枠にしばられない 発想力のヒントをモンテッソーリ教育での取り組みから得ていたのかもしれません。
その他、ビル・ゲイツ氏(Micro Soft創業者)、バラック・オバマ前米大統領、英国王室(ウィリアム王子、ヘンリー王子、ウィリアム王子の長男ジョージ王子)、経済学者のピーター・ドラッカー、俳優兼映画監督ジョージ・クルーニー、などなど多くの著名人がモンテッソーリ教育を受けて育っています。
「自分で選んでつかみとる力」が身につくメリット
上にあげたような世界の有名人の例を見ると、どこか常人離れしていて、既存の枠から飛び出して新たな挑戦をしたり、今までにないものをゼロから生み出す力を持っている人が多いですね。
もちろん元々の持っている才能や資質がすごかったということも否定はできませんが、有名人の方々の例を通して伝えたいのは、モンテッソーリ教育は小さい頃から「自分で選ぶ」ということをとても大切にしている教育だということです。
例えば、1歳の小さい子どもがその日に着る洋服は、ご両親が選ぶことがほとんどだと思います。
しかし、モンテッソーリの教えでは「2つの洋服を用意して、どちらを着るか自分で選んでもらう」ようにするのです。
小さい子どもはたくさんの選択肢の中から選び取ることは難しいですが、最初は2つや3つのできる限り少ない選択肢の中からスタートし、徐々に選択肢を広げていくことで、自分の身の回りのものや行動自分の意志を選ぶことができるようになっていきます。
最終的には進路も含めた自分の将来を決めていく場でも、その「選んでつかみとる力」が存分に発揮されていくのです。
「自分の将来を自分で決められない」中高生や大学生が多いと言われているこの時代。
「選んでつかみとる力」を持っている人材から、新たな発見や今この世界にないものが生み出されていくのではないでしょうか。
モンテッソーリ教育はお受験のための早期教育ではない
確かに、受験対策をしている幼児教室や幼稚園などでモンテッソーリ教育が取り入れられていることもあるため、そう思ってしまうのも無理はありませんよね。
りっきー自身も最初に「モンテッソーリ教育」というワードに出会ったときは「え、早期教育じゃないの!?」と思った一人です(笑)
実際は、モンテッソーリ教育はお受験のために作られたのではなく、障害児のための治療教育(今でいう療育)からスタートしています。
ではなぜ、「早期教育」のイメージがついてしまっているのでしょうか?
「子どもの自立を促す」という本質
モンテッソーリ教育で育っていくと言われる「自主性」や「手先の器用さ」などから、確かにお受験対策の教室などで取り入れられていますし、結果的に合格しやすくなっているということはあるかもしれません。
でも、モンテッソーリ教育の本質は、「お勉強ができる子」「賢い子」を育てることではなく、「子どもの自立を促して、自分で生きていくことを充実させる力を育てる」ことにあるのです。
残念ながら、モンテッソーリ教育を謳い、教具がたくさん揃っていても、接する大人の態度が伴っていない施設もあるのも事実です。
(特に最近は流行に乗じて名乗っている施設が増えているとも言われていますね。)
そこは親御さんが見極めてあげないといけません。
モンテッソーリ教育では、「結果を出す」というよりは、「子どもが自ら選ぶ自由を選択できる環境を整える」ことこそが鍵なのです。
「本質を見失わずに、選ぶ力を養う」のは親の側も難しいですが、モンテッソーリ教育に関わらず、どんな場面でも大切な我が子に最良の選択をしてあげたいですよね。
幼児期にモンテッソーリ教育を受けた子どもの共通点
幼児期にモンテッソーリ教育を受けた子どもたちの育ちの姿について、
主に下記のような特徴があると言われています。
諸説ありますが、こちらでは松浦公紀著「モンテッソーリ教育が見守る子どもの学び」から引用(p180~182)させて頂きます。
- 自立している
自分のことは、自分でやろうとする。
自分のことが一段落すると助けの必要な子に手を差し伸べる。 - 自律心が育っている
人の話をしっかりと聞くことができる。
決まりや約束を守ることができる。 - 手順がよい
先のことまでを見通して活動することができる。 - 命令されることが嫌い
自発性が育っているので、「~しなさい」と命令されるのが嫌い。 - 感性が育っている
いろいろな事を意識することができる。 - 興味や好奇心が旺盛
いつもアンテナを張りめぐらして生活している。 - 自己が確立されている
自分に自信があるので、人に流されない。 - 自分で目標を決めてがんばる
自分で選んだおしごとと一生懸命関わる経験を積んでいるので、主体性を持った取り組みができる。
この8項目からは、様々なことに興味を持ちながら、自分のことは自分で決めることができ、揺らぎない自分自身を持っている子どもの様子が見てとれます。
「小学校の一斉教育になじめるか」問題への回答
どんな教育にもメリットがあればデメリットもありますが、モンテッソーリ教育への批判でよく聞かれるのは幼児期にどんなに「自分で選ぶ」環境に身を置いても、小学校になればみんなと一緒に行動する一斉教育に入るのだから逆に大変な思いをするのではないか、というような内容です。
確かに小学校以降もモンテッソーリ教育の環境が豊富に用意されている欧米と違って、日本では幼児期がメインで、小学校以降にモンテッソーリ教育を継続して学べる環境は極端に少ないと言えるでしょう。
では、本当に幼児期にモンテッソーリ教育を受けることに意味はないのでしょうか。
どんな教育もただ受けるだけでは、それ以上でもそれ以下でもない
どんな教育でもそうだと思いますが、万能なものはありません。
幼稚園や保育園などで、どんなに環境が整い、適切な関わりをしてもらっていたとしても、完全に園任せ、家では整理整頓もせず、秩序がなく散らかりっぱなしという状態では、かえってお子さんは混乱することになるでしょう。
将来につながっていくかは、家庭での親御さんの心がけや一貫した姿勢であるかどうか次第だと思います。
モンテッソーリ教育そのものが、結果を求めてするというよりは、環境を整えることで、お子さんの中にある自分自身を成長させようとする力を最大限に発揮できるように援助するものなのです。
特に幼児期においては、親御さんのおうちでの関わり方や姿勢が大事になってくるのです。
「個」の確立があっての、他人への思いやり
モンテッソーリ教育への批判的な意見の中には、それぞれが自分のやりたいおしごとに黙々と取り組むイメージから「協調性が育たない」というものもあります。
果たしてそれは本当なのでしょうか。
他人への思いやりや協調性が育つのに必要なことは何でしょう。
それには、まず自分自身が満たされていることが絶対に必要です。
私たち大人でも、気持ちが満たされず、自分自身の軸がフラフラしている状態で他の人のことまで考える余裕はありませんね。
子どもも同じことです。
まず、自分自身がやりたいことをできる自由と、やり切ったという満足感に満たされることで「個」が確立し、周りを見る余裕ができてきます。
そうなって初めて、周りに気づき、自然に身近な友達への思いやりや協調性を発揮できるようになるでしょう。
そういった意味ではむしろ、集団生活になじめないということはなく、モンテッソーリ教育の活動によって自分自身が満たされ「個」が確立しているお子さんは、集団の中で時には周りに合わせながらも、自分の力を発揮できるのではないかと思います。
これからの時代に求められる「非認知能力」とは?
皆さんは2020年に文部科学省の学習指導要領が大きく方針転換するのをご存知でしょうか。
そこに書かれている内容と、モンテッソーリ教育で育まれる力には驚くべき共通点がありました。
2020年学習指導要領とモンテッソーリ教育の親和性
『生きる力 学びのその先へ』
文部科学省が出したこの文面。
改訂に込められた願いの箇所にこのように記されています。
これからの社会が、どんなに変化して予測困難になっても、自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、判断して行動し、それぞれに思い描く幸せを実現してほしい。そして、明るい未来を、共に創っていきたい。
いかがでしょうか。
従来の教師は教え、生徒は聞く、という詰め込み型の一斉教育とは一線を画す内容となっているかと思います。
今幼児期のお子さんのいる親御さんが子どもの頃に受けてきた教育とは、大きく方針転換されつつあることが確かな事実ですね。
そして、「自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、判断して行動し」という部分はまさにモンテッソーリ教育の目指す子どもたちの姿と一致すると言えるでしょう。
「非認知能力」が求められる理由はAIの台頭!?
また、具体的な学習の目標として、「主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)」についても表記があります。
「何を学ぶか」ではなく、「どのように学ぶか」を重視し、実際の社会や生活で生きて働く知識や技能だけではなく、学んだことを社会に生かそうとする学びに向かう力や人間性、未知の状況にも対応できる思考力、判断力、表現力などを養うことを目標をしています。
このような数値で測れない能力のことを「非認知能力」といい、この能力は今世界中で重要視されているのです。
今の子どもたちが社会に出る15~20年後には今存在しない職業につく人が7割近くいると言われています。
単純作業や知識があれば可能な仕事の大部分はAIに取って代わられるかもしれません。
そんな予測不可能な未来だからこそ、特定の能力を磨くというよりは、自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、判断して行動する力が大事になってくるのです。
どんな時代も生き抜くモンテっ子たち
そのような未来を担う子供たちに必要な力は、まさに「どんな未知の状況でも生きていく力」なのです。
一つ前のトピックで、モンテッソーリ教育を受けた子どもたちの共通点についてお話をしました。
その中で、自発性が育っているので、「~しなさい」と命令されるのが嫌い、という項目があったかと思います。
これは一見すると集団生活になじまないかのような印象を受けた方もいるかと思います。
でもこれは、AIの登場などにより「命令(指示)されてできる仕事が淘汰されていく」今後を考えたときに逆に強みになるのではないかとりっきーは考えます。
何かへの没頭・集中を経て、自分の軸をしっかり磨いたモンテっ子たちの未来は明るいと思うのです。
モンテッソーリ教育を受けた子どもたちのその後が描かれた本
そうはいっても、本当にそんなに素晴らしい子が育つの!?と思いますよね。
実際にモンテッソーリ教育を受けて大人になった人たちの具体例が知りたいですよね!?
私もそうです(笑)
ということで、モンテっ子たちのその後が描かれたり想像できる本を集めてみました!
ご参考になれば幸いです。
モンテッソーリ教育を受けた子どもたちーーー幼児の経験と脳
モンテッソーリ教育の第一人者でもある故相良敦子先生の著書です。
子どもたちの実際の姿を「本人」「母親」「教師」の複数目線から語った内容の他、幼児教育と脳の関連、特にモンテッソーリ教育で育つと言われている「前頭連合野」との関連についても学会での脳科学者とのやり取りを用いて書かれています。
専門的な内容だけではなく、家庭でモンテッソーリ教育を取り入れる際の視点や工夫についても取り上げられていますので、これからおうちでモンテッソーリ教育をやってみよう!という親御さんにもおすすめの1冊です。
世界一の子ども教育モンテッソーリ 12歳までに脳を賢く優しく育てる方法
こちらの本は、子どもたちのその後が直接書かれているわけではありません。
・・・が、発達心理学や神経心理学が専門の著者が、脳科学の観点からモンテッソーリ教育がもたらすメリットについて書かれた一冊です。
モンテッソーリ教育の5分野(日常生活の練習、感覚教育、算数教育、言語教育、文化教育)のそれぞれがどのように脳に良い影響を与えるのか、解説されているところがとても興味深く、繰り返し読んでいるりっきーの愛読書です。
特に、「幼児教育と脳科学の関連性」をここまで詳しくまとめた書籍はなかなかお目にかかることがないのではないかと思います。
モンテッソーリ教育で子どもの本当の力を引き出す!
おうちですぐに取り入れやすいように、わかりやすくモンテッソーリ教育が説明されている良書です。入門書という位置づけにはなりますが、お子さんの年代別の親の意識の持ち方などが書かれていることもポイントです。
この記事でも取り上げた「非認知能力」についての記述もあるため、長い目でお子さんの将来へ向けた教育について考えられている親御さんには興味深い1冊になるかと思います。
「発達っ子」のおうちモンテ2年後の変化
プロフィールにある通り、我が家には「発達障害(自閉症スペクトラム&ADHD)」の診断を受けた息子がいます。
おうちモンテの取り組み以外にも、いろいろな発達支援を受けてきた成果ももちろんありますが、モンテッソーリ教育に出会ったからこそ生まれた息子の変化についても、最後に少し触れておきたいと思います。
環境設定や習慣化が息子に向いていた!
息子は初めての場所や状況は苦手ですが、決まった場所で決まったことをきっちりと習慣化して行うことは得意、という長所がありました。
そこで、モンテッソーリ教育で重要視される「環境設定」を存分に生かし、息子の生活導線を親の介入なしになるべく自分自身の力でやり遂げられるようにする工夫を生活の随所に取り入れました。
自信を持てると自律心が育つのは本当だった!
特性からスムーズにできないことも多く、今まではつい口をはさみがちで、息子は自己肯定感が低くなりかけていました。
でも、道具や環境に工夫をして、自分の力だけでできることが増えてくると、「これだけは自信を持ってできる」という分野が育ってきたのです。
息子にとってはそれが「家事」でした!
今では、料理中には「何かすることない?」とやってきては、野菜を切ったり、皮をむいたりするのが大好きですし、食事の配膳などは全部自分でやります。時には洗いものまでやってくれることもあるんですよ!
そして、毎日の持ち帰った洗濯ものはカバンから出してネットに入れて、洗濯機に放り込むところまでバッチリ!
(母は洗剤入れてスイッチ押すだけ~~♪♪笑)
休みの日には窓を拭いたり、ベランダをデッキブラシで磨いたり、お花に水をやったりと、小さいながらもすっかり「家事男子」です。
すっかり頼もしくなった息子は、今までなかなか挑戦しようとしなかった「新しいこと」にも果敢に挑戦する姿を見せてくれています。
より詳しく「おうちモンテで療育」のメリットについて知りたい方はこちらをお読みください。
まとめ:環境が整い、選択の自由があると、子どもの才能や自律心は伸びていく。
結論としては、モンテッソーリ教育を受けた人が全て偉人になるわけではありません。
しかし、今世界で活躍しているモンテッソーリ教育を受けてきた著名人の方たちを見ると、既存のもので良しとせず、何かを壊して新しく生み出したり、流されず自分の信念を貫く姿が印象的ですよね。
これは、親や周りの大人たちが子どもの自律心を伸ばせる環境を整え、モンテッソーリ教育を通じて選ぶ自由を与えられた結果、自分の力を信じてやりたいことをやり切り、潜在能力が開花して偉大な成果を残すことになった、ということではないでしょうか。
「やらせる」のではなく、環境を整えて、子どもが「自分自身の力でできるようにする」というモンテッソーリ教育の教え、りっきーはとても共感することができました。
これからも「おうちモンテ」について情報発信を続けていきたいと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!!
また、お会いしましょう♪
メリットだけでなくてデメリットも知った上で選びたい!